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2014年12月31日水曜日

2014/12/31

オゴォ

どうも、お久しぶりです。
2週間働き続け、足の指にできもの?が出来ました。
年末年始は毎年忙しいのですが、今年は酷かった。半日働き、寝て、働き、寝て……。
この2週間はFate/stay nightを楽しみに生きていました。ほんと。
でも、strange/fakeの予約できなかったけどね。。。

さて、近況はこれぐらいにして、12月8日にサイトを作って、全5章予定と言っていましたが、とりあえず1章作ることにしました。
ちなみに場面は4章の予定。
これを4月から6月までに完成させます。

それの公開の前に、没ネタと主人公の設定を流用した小説を公開しようと思います。
これは1月上旬には開始します。

ゲームの方は一人でも作れるように、詰め込みすぎました。
長くするとどうしても自分が最低限望むクオリティで完成するのかわからない。
だから、簡潔にして今作の大筋を粗方理解できる3章を公開しようと思います。
魔法でどんぱちものから魔法の細かい設定を消し、それでも長すぎるので日常ものにし、その雛形から作品を枝分かれさせつつ中身を弄ってようやく辿り着いたので――
すごく地味なんですよね。

面白くしたいけど、難しいよなあと思いつつ作成中です。
とりあえずこれを公開して、メンバーが集まらなければプランを練り直すか、出直します。

では、よいお年を!

2014年12月1日月曜日

開発日誌01-2014/11/24

水曜か木曜辺りにアイデアが浮かんだことにより、またまたシナリオ変更しました。どうも。

いい加減にしろ。

一度、完成間近?などとのたまいましたね。ええ。7月12日or13日公開とはなんだったのか。
こちらの通り開発コンセプトは変わらないものの、シナリオは大幅に変わりました。
恐らく今年の4月くらいに今の形になり、つい先日、その部分の先の話を作成することで決定しました。
こうしてみると、かなり悩んだ結果に見えるのですが、違うのです。

ただの挫折です。

この辺は近々。
今回から定期的に更新しようと思い、開発日誌をつけることにしました。
今は全くなにもできておりません。プロットだけ。
でも――近日公開する部分のシナリオは完成しました!
背景も一枚、分量も10分未満。

というわけで、動画にして公開しようかと。
ゲームはDLしてもらわないといけないしなあ→なら動画だ!
と思ったわけです。

この開発日誌は完成も秒読み(全編完成は来年夏)なので、今まで費やしてきた時間を随時報告しようと思います。

その時間は――。

19時間21分!!


デデン! 約二年でこれかよ!!
詳しい内実は動画の後ろにつけるので、ノベルゲー作りたいなあ、同人ゲームを一から作るとどうなの、と思う方はぜひ見てください。

01はこれにて。02には動画が完成していると思いたい。

2014年11月1日土曜日

2014/11/1

タイトルつけるのが面倒になりました。名前とか決めるのも苦手なんですよね。

本日はゲームの進捗状況についてです。
最近、更新してなかったので。

今の私の状態は、ガチニートです
旦那が何を言っているかわからない件とFate/stay night[Unlimited Blade Works]を見ながら、聞きながら作業している暇人です。
 ……本当さ。

 つい二日ほど前に、脳がいかれたのか、「BADENDだけ公開しよう! 」という案が生まれ、ただいま修正中。
完成は間違いなく11月中には。

早くて、2週間後ですかね?

2014年9月28日日曜日

TVアニメ『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』世界同時先行上映イベ ント -Holy Grail's call- を見てきたので感想を。ー徳島でー

TVアニメ『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』世界同時先行上映イベント -Holy Grail's call- の徳島会場に行ってきました。(今日はアニメの感想だけ)

ええ、徳島です。

ちなみに、僕は近畿地方に住んでいます。

お分かりだと思いますが、大阪会場ダメでした。秒殺。
意気消沈……というときに、徳島だけ空いてたので取ってしまったわけですね。けど、今はラッキーだと思ってます。
あ、これは徳島に行って見た、という感じの雑記に書きます。

さて、fateの通称凛√ことUnlimited Blade Worksの第一話を見てきたのでその感想を。

やっぱり最高。この一言です。

尺は一時間で、セイバーと契約し、令呪を使った後、遠坂……ってなるところです。
ゲームでお馴染みのプロローグと重なるところ。
映像は圧巻でした。ほんと綺麗。
キャラより、背景や小道具が際立ってた印象。
ufotableさんぱねえってなる。
もちろん、戦闘も圧巻です。作品に音を入れてからその音に合わせて調整するんだとか。流石だね!

肝心の内容は、細かいところは変更されてましたが、大まかに原作遵守ですね。
(日常ばっかりなんで、なんとも言えませんが)
やはり、古いゲームなんで、まんま使えないのかな?

一番印象的なのは、原作ファンを狙っているな、という点。
設定だけでそのシーンで語られる事がなかったり、かなり短い言葉でも、映像に挟んできてました。
切継に引き取られるところが僕的に1番してやられた。
孤児写すんだぜ……。士郎の負い目とFate√を思い出してしまうだろう!!
重要な伏線となるところはかなり強調されてたかな?
わかりやすいところは、セイバーとの契約の際に、全ての……が出てたりとか。これ以上は長くなるのと、発見の楽しみを奪うのは申し訳ないからやめときます。
一番最初に原作ファン狙いを思ったのは、ギルが普通にOPに出てた時ですけどね。伏線でもなんでもないですけど。
今、初見の方は、き、金ぴか、とは思わないんだろうな……。

次に印象に残ったのは、奈須さんの文体は映像に表現しきれていないかな、と。
やっぱり描写が削られちゃう。
ランサーと遭遇、戦闘。凛への感情……etc。
あの特有の描写が映像でサラッと流れるので、少し残念な気持ちもある。
けれど、これはこれで、とも思うのです。
原作知らない人は違う風なんだろうなあ。

最後は士郎に丁寧。
主人公として、かなりデリケートに心理描写とか扱われてます。
徳島会場でのトークでも、士郎をカッコよく、彼の心理を理解してもらえるように、と仰られてました。
士郎スキーな自分としては嬉しい。
嫌いな人多いし。
初めてプレイしたノベルゲームで惚れたのがヒロインではなく、主人公ってどうなんだろう……。

@Fate_SN_Anime: TVアニメ「Fate/stay night [Unlimited Blade Works]」『#00』 & 『#01』 2週連続1時間SP放送決定!最新ビジュアル&2週連続1時間放送CMも公開! 

とのことで、僕が見たのは一話でした。(iphoneで書いてるので、埋め込みがが)
大阪が0。東京、徳島が1だそう。
ゲームをした方ならピンときたと思います。原作を頭から!!
やっぱりufoさんだね。


あ、あと入場する際に、徳島県知事さんがいたことに驚き、最後まで見て、fateの内容を理解しつつ、宣伝も欠かさないという色々な意味で大人な方でした。

トークは和やかでした。茂木さんが少し固かったかな、と思うくらいで、本当にスムーズでした。
質疑応答コーナーもありましたし。

ひとまず、ここで終わります。
今日は出先でアプリからの更新なので、まとまりがつかない。

あー、放送が楽しみ!
かなり、制作は進んでいるとのことなので、クオリティは疑うまでもねえ。

2014年9月19日金曜日

TVアニメ『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』世界同時先行上映イベント -Holy Grail's call- 一般発売は明日20日から

キラッ☆

知ってた。僕は知っていた。
友人の分も含め2枚とも落ちることぐらいな!!

TYPEMOONファン怖い……。

プレリザーブ申し込みで撃沈しました。
ほんとついてない。 限定愛蔵版の時もpay-palのエラーでダメだったし。

TYPE-MOON Fes.の時は、まだ魔法使いの箱の会員だったので、一発だったんですが……。

明日いけるといいなあ。 

2014年9月11日木曜日

2014/09/11-愛情万々歳~ブラボー!マイ・ラブ~と新潮文庫NEX

「愛情万々歳~ブラボー!マイ・ラブ~」という韓国ドラマの話。
以前の雑記ではまってる韓国ドラマとはこれです。57話もあったからね、長かった。

けど、面白いんですよ。ドロドロした恋愛ドラマです。
キャラが濃くて、掛け合いが面白いんですけど、運命のイタズラというべき負の連鎖に毎回ニヤニヤが止まらないのです。
ゲームで言うと、WHITE ALBUM系が好きならおすすめ。
まあ、ここまで重なるとドラマだな、と白ける部分もありますが、それでも最後まで見てしまう良さがあります。(偶然とか運命を否定したら小説書けないよなあ)
長さの分、負の大連鎖がなければ持たないんですけどね。

それにしても、小説やらアニメやら映画やら溜まっていく一方です。困りました。

そうそう、新潮文庫NEXの本を数冊買ったんです。もちろん読んでいません。
ですが、一つ小言を……。

スピンないじゃないか!?


ちょっとした驚き。新潮文庫といばスピン、というイメージがあったので。
新潮文庫NEXの本以外にも、ソロモンの偽証とかNのためにとか、あと色々買ったんですが、
短編だったこともあり、中から この部屋で君とを選びちょっとした待ち時間に読み時間が来て、さて、と思った時に気づきました。
あると便利なんだけどなあ。





2014年9月3日水曜日

2014/09/03-「モーテ ―水葬の少女― 」を読んで。

内容はもちろんよかったです。けど、今回、書きたいのはそういうことではありません。
感想は最後に書いてます。 グダグダ書いてますが、おすすめです!
なので、設定やあらすじは、MF文庫Jさんのブログへ
作者の縹けいかさんシナリオの同人ゲームが面白かったので買いました。
アマゾンで買えるのがいいよねファタモルガーナの館。 地方民大助かり!
そんなことを言いつつ、イベントに行って、設定資料集買ったんですけど……。
ノベクタクルの新作楽しみです。

初めに謝っておきます。ごめんなさい。
この作品がラノベみたいじゃないなあ、とか、ラノベと小説の違いはなんだよ、とか、そういう話じゃないのです。私、そういうジャンル分けは苦手なので。
ちょっとしたラノベに対する愚痴と感想になります。

さて、本題にはいりましょう。

ライトノベルであったがために展開が読めてしまった――。


はあ? と思われる方のために説明します。
MF文庫Jさんから出版された「 モーテ ―水葬の少女― 」は挿絵がある本です。
当然、数少ない絵には、重要なシーンが採用されます。

偶然、後ろの方の絵を見てしまったために、私は半分ほど読んで展開が読めてしまった、ということです。

もうここまでガッカリすることはないでしょう。

この作品の見どころは前半の謎を後半部分で解いていく過程にあるように思える作品でしたから。

ラノベの挿絵ってこれがあるから困るんですよね、って共感してほしかったんだ!

モーテの感想を短く書きますと……

「絶望的に純粋な"絆"の物語――この世界に奇跡は存在しますか?」
 とあらすじに書かれている通り、奇跡が起きます。強引な気もしますが。
絆は運命とかそういうニュアンスです。ADVでありがちな展開かも。
特殊な孤児院のドケオー、 モーテという病、設定が上手く利用されていました。
話自体は純愛もので、 これといって珍しい展開ではなかったのですが、設定を絡めた丁寧な話運びでしたね。
ラノベらしくないと話題ですが、ここでしょうね。話運びや構成。
話はわかりやすく、構成で面白くなってます。小説の醍醐味みたいな。

買ってつまらないということはないかと。一人称、純愛ものが嫌いというなら別ですけど。




 




2014年9月2日火曜日

2014/09/02-一週間フレンズ

お久しぶりです。雑記に書くことが溜まってきました。ただ書いてないだけ……。

さて、今日はアニメの話です。一週間フレンズ。
1話から12話まで二日かけて見ました。(撮りためて見る派)

いやー、よかった。

原作とは違う流れになりましたが、よかったです。私は鋼の錬金術師、フルメタルアルケミストも無印も好きなタイプです。fateの映画版も好きです。

あの絵のタッチがね、いいんですよ。
見てて和みますね。

簡単なあらすじを紹介。
主人公の男の子が、一週間だけしか友達に関する記憶を保持できないヒロインと友達になり続けて青春する話。

うん、説明下手ですね。あ、原作は漫画です。

ほのぼのだけでなく、いい具合にシリアス。けど、
うわー、と思うほどではない。
この絶妙なバランス!
自分の中で今年の春アニメでシドニアの騎士並みに盛り上がった。
まだ、春アニメ全部見てないんですけどね。
今はノーゲーム・ノーライフを見てます。
が、韓ドラにハマってて少し遅め。

話を戻しまして……EDの奏がよかった。
聞いてすぐに、スキマスイッチの曲だ、とわかるくらいには彼らの楽曲好きです。
歌詞がマッチしてますよね。最終回のED最後まで見ちゃったよ。いつもOP、ED飛ばすんだけど。

というわけで、スキマスイッチさんのほうがipodに入ってたからリピート中。

で、書いてます。永久機関。聞きながら。
病気なのか、推敲するたびに修正してしまう……。

これでいいのか? わかりにくいよね? 

こんな風に自分で自分を追い込んでます。怖いぜよ……。

電子書籍版はゲーム版の半分ぐらいを予定しているので、まだ楽です。
しかし、たくさん修正したせいで、様々なバージョンが生まれてしまった。

暗めになりましたが、書くネタが増え続けているので、近々! できるだけ早く!

2014年8月19日火曜日

2014/08/19-プロット公開!

ええ、学びました。誰かに頼るのも大事ですよね。

あれ? なんかクズの発言だなあ……。

BGMを作成していただける方を募集しました!
こちらから詳細

9月中の電子書籍版配布しないとこないかな、やっぱり。
これから1週間ほどPCが使えないので、束の間の休息です。
お盆も終わったしバイトも楽です。

短めですが本日はこの辺で……。



ノベルゲーム作成中です。
こちらから→プロット1.2.3.4

永久機関プロット04

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 また三木さんが現れた。どうやら放課後に来ているらしい。いつも同じ時間帯だ。
 他愛のない会話をしている最中に、きゃ、と三木が悲鳴を洩らした。

「ああ、安芸さん。今日は早かったんですね」

 まだ一言も安芸さんは発していないが、僕は何気なく語りかけた。今の状況なら声を聞くまでもなく、誰かを見分けることができる。そこまで深く探ったのは久しぶりだった。封じていたことだったが、僕は昨日、使ってしまい知ってしまった。その罪悪感からか、自発的に動いていた。

「まあ、非番だったので」

「三木さん、どうせなら彼女にも聞いてもらいましょう。仮にも保安官ですし」

「じゃ、じゃあお願いします」

「写真はないんですけど――ってな感じです」

 と三木さんは幾つか彼氏の特徴を挙げた。けど、それは僕が記憶しているものからは外れていた。人間の性格が数日の間に変わるものではない。

「――でしょ」

 ツラツラと声に出す。穏和な口調に少し威圧感を込めた声で、僕は三木さんの彼氏の特徴を羅列させた。僕は嘘が嫌いだ。嘘をつかなければならない世界が好きではない。 でも、僕がこういった行動に出たのは、恐らく彼女の中に似通った部分を見つけたからである。
 少年の時もそうだったが、三木さんも劇的に嘘をつくのが下手だ。僕が言うのもなんだが、出会って数日の人間に矛盾点を見つけさせてはいけないと思う。

「そう、名前、聞いてなかったよね。身長、体重――座高はさすがにわからないか。髪の色、生年月日、家族構成、口癖、ここまでくらいなら設定しているのかな?」

「そ、それは」

「安心するといい、僕も彼女も、君を馬鹿にしない。君は何を作ろうとしているんだい?」

 僕の確信を込めた言葉に、

「小説です」

 間を置いて、息をついてから三木さんは力なさげに呟いた。

「彼氏なんていません。私は小説を書くために、ここに来て相談したんです」

 三木さんの告白を僕は身振りもせず黙って聞いた。彼女が扉越しの人間の行動を見抜くことは不可能なのだ。僕にできたとしても。

「もう、お気づきだと思いますけど、ここに来た理由は小説が好きだからです。散々馬鹿にされました。入り込めない世界になんの価値があるんだ、って。そんな薄っぺらいもの、って。仮想世界で物語の主人公にもなれるのに、って」

 その声がごく一部のものではなく、一般論であることに僕は少なからず驚いた。僕がこれまで試みたのはシステム的なものや最終的な数値で、こういった部分を見ていなかったからだ。そういったものについて考えを巡らせていたこともあったが、永らく忘れていた。いや、逃げていたというべきだろう。

「それでも、私は好きなんです」

 しかし、目の前の少女は違う。どこか僕に似ているのに、真逆の道を歩もうとしている。

 ――? 似ている? 何が?

「ならそれでいいんじゃないですか」

 と安芸さんが言った。無責任な一言だった。が、実際の所、本気で何かをしようと思っている人間に対して、奮起させるような言葉は必要ない。そのようなわかりやすいスイッチはないのだ。決断や行動というのは、塵のような経験や記憶を積み重ね上り詰めていくようなものである、と僕は考えていた。
 言葉にしてみたら当たり前のことだけど、このことを理解することは難しいことだった。なぜなら、それを理解してしまった人間は過去を見なければならない。背負わねばならない。

「あなたが好きなら、きっと」

 と安芸さんは続けた。それでもやはり響く言葉がある。文字だけでなく、身振り手振りやその時々の雰囲気、心情などを含めた全てで構成されているからこそ伝わるのだ。
 何か一つの現象が何かを救うという事はほとんどない。全て複雑に入り組んでいる。それを単純化しようとするから失敗するのだ。

「そうなんですよね、結局。安芸さんと竹尾さん似てますよね、同じようなことを昨日言われました。相談してから書きあげたんので、用意してきたんです。読んでもらっていいですか?」

 永らく逡巡していた三木さんは、躊躇いながらも答えた。
 相談、というのは僕のことだろうけど、何をしたのか、記憶にほとんど残っていなかった。残っているのは、日記みたいに事実だけだった。
 はて、何を議論したのだろう?

「もちろんです。私も本はよく読むんですよ。同じ本ばっかりなんですけどね」

「じゃあ、転送しますね」

 安芸さんに転送し終え、三木さんは次はと言いながら周囲を見渡した。僕がさっきから黙っているせいなのか、それとも僕に読ませることに不安があるのか、まだ彼女から踏み出すのは厳しいらしい。

「ああ、すまない。僕はそうした端末を持っていないんだ」

 僕がそう言って促すと、安芸さんは転送し終えた閲覧用の端末を貸してくれた。流石、保安官だ。

「お時間もかかるでしょうし、後日でいいですか?」

 いつもより数段高い声で三木さんが訊いた。声にも出やすいのか、と僕は口元に笑みを浮かべる。声を出さないようにするのは辛かった。

「よければ3時間後ぐらいにここはどうです? 私は暇ですから」

 安芸さんの発言には、全く僕のことを考慮されていなかったが、口を挟める様子ではなかった。

「じゃあ、お願いします」

 と言って三木さんは頭を下げた。数分ソワソワしていたが、読了まで時間がかかることにようやく気付き、

「あの、恥ずかしいので私は一旦帰ります」


 きっかり3時間後、三木さんが現れた。
作品を生み出した人間が目の前に現れたせいか、粘り気のある泥のような感情が底のほうから湧いてくる。
 失恋した少年が過去へ戻る能力を手に入れ、葛藤する青春ものだった。
 オチは、少年が初恋の相手を本来の恋人に譲り、結局振り出しに戻るというもの。
 何もかもが合わさっていた。僕の過去を直視させられたような気分だ。思いがけない形で断片を磨かされていた。まだ、誤魔化せる。けど、もうだめだった。
 それは自分自身の影を弄繰り回され、地面に縫い付けられた影だけではなく衣類の隙間などからも執拗にはぎ取られたようなものだった。ただそれだけではない。その影を操り、僕の過ちをそっくり演じさせ転落手前で幕を閉じられたのだ。もちろん僕は何もできない。だからこそ――

「どうでした?」

「よくはない」

 つい滑ってしまった。

「想像してみろ」

 ずいぶん粗雑な言葉を吐き出し、

「何度も戻れるなんて、都合のいいものかどうか」

 主人公があまりに無邪気で、あまり似ていた。
 確かによくはない、と言ったが、ここまで引き込まれてしまうほど、三木さんの作品は上手かった、ともいえる。

「確かにちょっと暗い終わり方だったけど、うんうん、私は好きだよ」

 安芸さんが会話に戻ってきた。それでようやくハッとした。失礼なことをしてしまった。しかし、無暗に謝っても誤解を招くだけだ。彼女がいれば、さっきもすぐ打ち解けていたし、三木さんのほうもなんとかなるだろう、と考え一先ず黙ることにした。

「ごめんなさい」

 つまらないものを読ませてしまって、とおそらく続け、三木さんは走っていく。

「すまない、訂正する。三木さんの作品はよかったよ。引き込まれた。だからこそ、作品に文句をつけてしまった」

 僕は慌てて付け加えた。白々しいと思われているかもしれない。かなり正直に言ったが、足音は遠ざかっていく。それでもやはり、三木さんには届かなかったようだ。
 長い間僕らは黙っていた。安芸さんが今から話しますよ、というふうに息を吐いて会話が再開した。

「帰っちゃいましたよ。面白かったってことですよね?」

「ええ、久しぶりに小説と触れ合いましたからね」

「そうですか」

「安芸さん、一つ訊いていいですか?」

「いいですよ」

 柔らかさがない固い声。安芸さんは少々怒っている。僕の暴言に対してというより、僕を理解できないことに腹を立てているようだった。それでも、僕がよくはない、と言ったことに対してこれから触れるのだとわかっていた。

「もしも、この小説の主人公のように時を戻せたらどうします?」

「夢のある話ですね」

 と言って、和澄はクスクス笑い始めた。

「どうかしましたか?」

「私も昔は考えてたな、って」

 安芸さんは笑うのを止め、思い出すのも億劫というふうにため息をついてから話し出した。

「そうはなりたくないと、思う」

「なんでですか?」

「もし、何て言い出したらキリがないじゃない。些細な事に耐えられない。そんなの、私はイヤだよ。生くんもそう思わない?」

 僕は、それはそうですが、などと反論を挟まず、そうですね、とだけ返した。

「それにね、綺麗さっぱり戻すことはできてないでしょう。何もかも自分に残ります。覚えています。嬉しかったことも辛かったことも悲しかったことも全部。都合よく過去を戻すことなんてできやしないんですよ。それに――よくない言い方だけど――その不幸のおかげで、幸福になることもあるでしょう? 同じもしならそういうふうに前向きなのがいいです」

 そうだその通りだ。僕はそれを声に出すことはできなかった。
 話題を断ち切るように、立ち上がる音がした。

「生くん突然だけど、私ね、この世界が大好きなんだ。みんなが前を向いて、一生懸命生きている世界が」

 世界を抱きかかえるように大きく手を広げ、どうしようもない肯定をする。
 安芸さんが意図していなくても、それはオレ自身への言葉であった。

「悪いところはもちろんあるんだけど、きっと今まで一番幸せが溢れてる。だから私は、今が、この世界が、好きなんだ」

「そうですか」

 僕の言葉が素っ気なかったからか、そう、と安芸さんは言った。その後、彼女は微かに笑って、恥ずかしい話をしたついでだからと消えかかっていた言葉を継いだ。

「私って過去が、悲しい暗い過去が嫌いなんだ。亡くなったことは確かに悲しいよ。けどね、それに縛りつけれられて、それだけになるのはもっと悲しいことだから。死とか悲しい出来事は強くなるための試練みたいに考えるようにしているんだ。だって、結局は自分自身でしょ?」

 世の中、正論だけでは語れない。そういう風に物事を真正面から強くなろうと受け止めるのは難しい事なのだ。でも、そうした事を言えないほどに僕は安芸さんに魅せられていた。

「死者は語らない。死の意味を考えるのは生者で、どう解釈してもいい。だったら、いい意味で捉えたい。縛られないように、強くなりたい。私はそうありたいと考えているんだ」




 二日後、控えめなノック音がまた響いた。

「三木です」

「ごめんね、三木さん」

 まず謝罪から始めた。あの出来事で非があるのは否定しようもなく僕だったからだ。

「いえ、私もきちんと聞かなかったし」

 いつもより声に張りがない。自分のせいだとわかる分、自然と会話が重くなる。

「想像してみろ、ってどういうことですか?」

 三木さんは、単刀直入に訊いてきた。そうだ。普通、あんなことを言われて気にしないわけがない。
 どうやら安芸さんは話題を逸らそうと努めていたらしい。僕も無意識に避けていたし、今日は話すつもりもなかった。
 というより、話しても意味がないと考えていた。
 が、幸か不幸か、今なら誤魔化すことができる。時間は経っていたが、口を滑らせ安芸さんの話を聞いたので気分も乗っていた。

「いや、僕もさ、こういう生活を続けていたら、やり直せれば、なんてことは考えないわけないんだ」

 三木さんに言われてというわけではなく、僕は彼女を試す意図があって話し始めた。

「だから、繰り返すのもよくはないと思うようになってね。だって――」

 あきらめがつかなくなるじゃないか。

 制限や規律といったものがあるからこそ、競技は面白い、という意見がある。これは僕も同意したい。それは人間の性質を捉えているような気がしてならないからだ。
 自由と平等。相反する概念を掲げる生き物なのだから、的外れということはないだろう、と思っている。
 もし、だ。もし、そんな枷を外すものが現れたら――そう、例えば何度でもやり直せるとすればどうだろう。

「日常の些細なことから、人生を変えてしまうような大きな事件でさえ、コントロールできるようになるんだ。神様にでもなったようだろ?」

 僕は熱く饒舌に。
 心の淀みを吐露し始めた。

「でもね、できないことも当然ある。けど、それを何とかしようとも思えるはずだ。何度でもやり直せるのだから。諦めればそこで終了なんてことはない。いつだって、やり直せる。もはやそれは慰めの台詞じゃない。感動的な名言でもない。悪魔の囁きさ、今度なら、次なら、あと少し、ってね。だから言ったんだ。想像してみろって」

「それは辛いことですね」

 と三木さんは言った。ただの同意ではなく、彼女の心の底から出た言葉だった。
 この少女の長所は賢く、それでいて優しいところだ。そして、僕が好む強さを持ち合わせている。

「ああ、辛いよ。きっと」

 喋りすぎたせいで喉が焼けるように乾いている。僕は用意しておいた水を飲み、次の言葉を発した。

「前も言ったけど、別にこの作品がダメだって訳じゃないよ。こういう考え方もあるってことを教えたかっただけなんだ。作家になりたいのなら、引き出しは一つでも多い方がいいでしょ」

 水を飲んだおかげで少しだけ落ち着いたのか、前半は紛れもない本心だったけど後半はそうでもない。確かに三木さんの参考になればと思ったが、彼女のためというより僕のためといったほうがいいからだ。他者との関わりを避けておいて、僕という人間の本質には触れ合いを望んでいる面がある。情けなく助けを求め、救いを渇望している卑しい魂だ。

「はい」

 声に覇気がなかった。一応、真摯に答えたつもりだったけれど、三木さんは納得していないらしい。

「でも、私が言いたいのはそういうことじゃないんです」

「どういうこと?」

「私はあなたの意見が聞きたいんです。あなた自身が」

 どういうわけか、ここにくる少年少女は賢い。触れられたくないところを確実に抉ってくる。安芸さんとは違った意味で、苦手だ。
 もう磨ききった断片は繋がることを望んでいた。それを僕が押し留めているだけだった。あとはその手を離すだけだった。

「さっきの、僕の意見なんだけど」

「そうでしょうね。あなたは嘘を言いませんから」

 ほら、目ざとい。ったく、きちんと動いているらしいな。

「誤魔化さないでください。あなたが怒ったてことは、違うんでしょう? いえ、もしかするとそうかもしれません。でも、隠してることはありますよね」

「ごめんね。リスクのない奇跡なんてないんだ。あの終わり方は綺麗すぎるよ。あらゆる意味で何かが全部救われるなんてことはない」

 心が落ち着くと、僕はあることに気が付いた。僕だけではなく誰でも、相手の気持ちなど本気で考えればわかるし伝わるのだ。僕は迷っている。

「わかった。白状する」

 オレはね、思うんだ、
 今の時代に生きている君はわからないかもしれないけれど、昔はね毎日誰かが理不尽な理由で死んでた。天災や事故、殺人。想像してみてほしい。もし君が過去に戻れるとすれば、そのような事件から目を背けるかな?


 僕は暗い箱の中に浮かんでいた。
 正解が、答えがない。暗中模索といったところだ。人間、明確な目標や道筋がないと逸れて止まってしまう。
 僕も例に漏れずそうだった。だから止まったのだ。そして過去を記憶を消した。
 でも、もう繋いでしまった。
 僕はもう起動してしまった。そのことに何か特別な感情はない。だけど、まだ答えは出ていなかった。

永久機関プロット03

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「ごめんください」

 少し低めで自信のなさが目立つ女性の声だった。常時お祭り状態の安芸さんではない。彼女の声は高音なのだ。
 季節を感じさせない部屋とその住人からはわからないが、今は7月上旬、夏だ。外は熱いだろうし、元気がないのも肯ける。
 既に安芸さんと配達員以外の来客を受け入れつつある僕は、ドアスコープから相手を捜した。しかし、相手は見えない。死角にいるのだろうか。まあ、わざわざ探るまでもない。

「はい、どちらさまですか?」

 姿を確認できなかったので多少不信感を持っていたが、僕は礼節を損なわないよう明るく訊いた。

「私は、三木といいます」

「はあ」

 聞き覚えのない名前だった。元々、知り合いではないだろう、と僕は思って訊いたのが、ハッキリ知らない名を名乗られても困る。

「こちらにで相談できるって、聞いたもので」

 またか、とため息をつきたくなる。やれやれ、いつの間に僕は便利屋になったのだろう。

「そんな大層なものじゃありません。ただ聞いて、僕がそれに小言を言うだけです」

 既に拒否することはあきらめていた。
 少年の一件以来噂が広まった、と安芸さんが笑っていながら愉快そうに言っていたし、想像はしていたのだ。記憶の断片から推測するに僕はいつも最悪を想定する人間だった。だから、自分は前向きな臆病者だと思っている。自己分析や自己評価などというものが就職活動に意味があるのかはわからないが、今後の人生において役に立たないという事はないだろう。記憶喪失の人間には一層意味を持つ。

「お願いします。内容は恋愛ものです」

「それなら僕はあんまり」

 引きこもりに、恋愛指南を受けようと考えるのがおかしい。最初に相談相手から外される人種のはずだ。ここに赤の他人という条件を加えればまずない。まともな思考の持ち主でない可能性が高いだろう。人格を否定するわけではない。人格は元より、こんなところで相談しようということ自体おかしなことなのだ。切羽詰った状況なのかもしれない。

「いえ、ここぐらいじゃないとお話できないので」

 僕の言葉を遮って、三木さんはハッキリ言った。

「まあ、聞くだけですし。どうぞ」

 引きこもりに恋愛相談か、と苦笑しつつ、真剣に聞くことにした。呆けた記憶とはいえそれなりに経験はあるようだったし、僕自身この手の話題は好きだった。恋とか愛とか見る分にはこれほど楽しいものはない。

「えー、付き合ってる彼氏がいるんです」

 三木さんは口ごもった。どういうわけか、照れている。惚気か、と僕はため息をつきながら口元に笑みを浮かべた。

「男の人って、どういう服が好きなんですかね? 私の彼氏はこう、短いの、とか好むみたいなんですけど」

 語尾が消え入りそうだった。相当な照れ屋だ。これぐらいで照れて、大丈夫だろうか、と僕は思った。心配したところで、僕にできることもない。雑念を払って、意識を彼女の会話に戻した。

「僕は流行に疎いけど、やっぱり清潔感とかかな。露出とかは好みの問題だけど、清潔感は必須でしょ」

 どこかの三流雑誌みたいだ。しかし、常識というのは中々変わらないものである。まさか10年のうちに不潔感がステータスにはなっていないだろう。

「なるほど」

 それから少し間を置いて、三木さんが話し始めた。
 内容は男性の好みや、愚痴、それと惚気。時折、間を挟んだものの、三木さんの口調は徐々に滑らかになった。話が長くなるにつれ、調子が出てくるようだ。
 答えにくい質問もなく、テンポよく会話が続いたので、一時間も経たずに三木さんは帰った。
 今、思い返すと、ほとんど雑誌に書かれているような下らない助言ばかりだった。少年の時もそうだったが、普通のことしか言えていないような気がする。だからといって落ち込むことはないだろう。相談や助言というものは当人次第なのだ。
 そんなことを考えながら狭い部屋の中で、惰性で続けている日課として体を動かしていると、扉がノックされた。

「生くん、こんにちは」

「安芸さん、こんにちは」

 僕は定位置につく。その際、わざと音を鳴らす。それを合図に、安芸さんが話し始めるのだ。すっかり習慣化し、挨拶の工程に混入してしまった。
 人間、わかりやすくしないと伝わらないことが多い。このようなことを数ヶ月の間に学んでいる。僕はいつも相手がわかる分、自分もわかりやすくしなければならないといった公平さを求めていた。
 僕が無意識下にそういうことをしていたのは驚いたけれど、その反応は薄かった。
 なぜなら、自分の根底にある部分が露出しつつあるからだ。もう、自分が臨めばすぐ見れる。核の部分を覆っていた膜は薄く、脆いものだった。以前は巧妙にけれども稚拙に隠されていたため、僕だけでは触れられなかったが、今ではもう触れてしまえる。そう、あとは僕次第だった。

「どうです最近?」

 安芸さんが定番の質問を使用するときは、若干疲れている時だ。まあ、若干だが。
 けれども、それを放置しておく気にはならなかった。

「恋っていいですよね」

 僕が突拍子もないことを言うので、へ、と安芸さんは短く声を上げた。そもそも僕から話題を提供することも珍しいから、そのことにも驚いているのかもしれない。

「恋人の好みに合わせようとするとか」

 ここまで言うと、安芸さんも流れが理解できたのか、可愛らしい唸り声を上げて悩み始めた。彼女はよく考える。それも間や雰囲気を読み取って考える。相談相手とすればこの上ない。けれど、彼女のところではなく、僕のところに来るのだ。

「そうですね。特に肉体は変えようがなくて悩んだりとか」

「やっぱりするんですか」

「そ、それはそうですよ」

 言葉を詰まらせて安芸さんは言った。失礼なことだっただろうかと経験を手繰るが、そんなことはないだろうという結論に至った。

「でも、胸の大きさなんて変わらないのに、悩みます?」

「悩みます」

 即答で強い口調だった。僕も冗談です、と茶化す勇気はなかった。

「一般論なんですね」

「そりゃあ、そうですよ」

 偉そうに安芸さんがが肯定した。

「保安官に恋愛相談ってあるんですか?」

「ありますね。半分くらい相談とか、整備です。こういう話題はいつになっても変わらないものですよ」

 と安芸さんは昔を懐かしむような声で言った。きっと扉の向こうで遠い目をしているのだろう。

「楽しい、ですか?」

「もちろん」

 と安芸さんは誇らしげに答えた。もう見るのは止めたはずなのに、僕の視界の端には彼女の姿が見えた。胸を張って笑いながら、言っているに違いなかった。








「はい」

 修理改良したチャイムに返事をし、ドアスコープから覗くと茶髪が見えた。ショートカットだったため、髪型だけなら男性にも見えなくはない。切れ長の大きな瞳がいっそう誤解を生んでいた。

「三木です」

 と名乗られようやく女性だと断定できる容姿だった。化粧気がないのも要因の一つだろう。そういえば、彼女の姿を見るのは初めてだった。

「ああ、三木さんか。ずいぶん美人さんだから驚いたよ」

 そう僕が言うと、三木は顔を真っ赤にし視界から外れた。やはり照れ屋である。それでいて顔に出やすい。

「あの、彼氏は長い髪が好きって言うんですけど、茶色はだめですかね?」

 三木さんは美しい女性だが、話を聞く限り彼氏とやらの好みから大きく外れている。どういう経緯で付き合い始めたのだろう、と思わず考えてしまった。

「地毛なの?」

「はい」

「なら無理に染め直す必要はないと思うよ。さっきも言ったけど、君、十分可愛いし」

 想像するまでもなく三木さんは真っ赤になっているだろう。表情に彩りがあるというのはそれだけで大きな魅力だ。彼氏の好みを塗りつぶしたのだろう。僕は正直な感想を述べているだけで、世辞は全くなかった。

「ちょ、ちょっとはしたないことでも積極的なほうがいいですか?」

 単語選びが独特だ。そこに彼女らしさを感じる。出会って一日か経っていないけど、僕はそうした期間を考慮しない質なのだ。白紙に近い用紙には一文字でも充分残る。

「あまり無理せずにだったらね。仮にも付き合ってるわけだし、互いの気持ちだよ。愛があればなんでもできる、ってやつ」

 僕はも歯に衣着せぬ言葉を躊躇なく口にした。文面は三流雑誌にも載らなそうだったが、これは経験則のようで曇りなく言えた。どういうわけか、僕は愛とかそういう言葉が好きなようである。
 間が空き、そろそろ三木さんが喋り出すだろうという時に、突然、

「し、失礼します」

 と彼女は言い、足音を派手に鳴らして去っていった。

「今の子誰ですか」

 底冷えするような低い声で安芸さんが尋ねた。この人は一体何に怒っているのだ。三木さんに逃げられたのが悔しかったのかもしれない。見当はついているが、それをあえて意識に入れないことにした。長い人生の間に僕が学んだ処世術の一つだ。全部で三つくらいある。
 それにしても五感を平均的な人間程度に抑えた弊害がこんな所で出てしまった。ままならない。問題というのは一つだけで構成されていないのだな、と思った。

「三木さん」

 安芸さんは、はあ、と盛大なため息をつく。正直に僕は言ったはずだ。それに、僕も彼女のことをよく知っているわけではない。言い訳は臨機応変にするべきだ。でも、嘘を言ってはいけない。そういう点で見れば、僕の発言は最高点である。

「やっぱり男の人は女子高生が好きなんですね。あの制服お嬢様高校のものですもんね。知的でお淑やかで優しい女の子なんでしょうね」

 安芸さんは珍しく偏見に満ち溢れた皮肉を口にした。「ね」の部分を強くいうので、たった3小節の間に3回も驚いた。

「へえ、三木さん女子高生だったんだ。顔しか見てなかったし、知らなかった」

 となると、今日、彼女の髪しか見えなかったという事は、ドアスコープに接近していたのだろうか。こんなことを考察しても仕方ないけど、僕の性質上どうしようもない。記憶がないせいか何でも考えてしまう。

「あ、そうだったんですか」

 妙に弾んだ声で安芸さんが言った。

「でも、女子高生はいいよね。僕も制服デートとか憧れましたよ」

 言った後、しまったと顔を覆う。よくわからないが、そういう記憶があったため、咄嗟に言ってしまったが、僕はここに10年も閉じこもっているのだ。そんな人間が軽々しくそういう発言をしてはならない。特に今は。安芸さんに余計な希望を抱かせてしまう。
 ずいぶん話していなかったせいか、僕は矛盾した言葉を口にしていることが多々ある。それを訂正するなり安芸さんに忘れさせるなり、色々逸らす手段はあったけど使うことはなかった。
 知られて問題のあるものでもない。隠すのは嘘をついているようなものだ。僕が今まで何度も体験したジレンマだった。
 それまではある決まりに従うことにして矛盾を誤魔化してきたが、今回ばかりはそんな気も元気もなかった。
 曖昧な記憶で決定された行動パターンだけを信じるのは難しくなってきたが、僕の中ではきっちりそれを守ろうとする。だから矛盾点を生んでしまうのだ。

「そうですか」

 安芸さんの口調が戻ってしまった。
 しばし沈黙が流れ、いつも通りの調子になった安芸さんが、

「って、生くん高校行ってないんでしょ」

「まあ、今はね」

 はっきりしない言い方だった。ここまで呪われている。

「そういえば、あの子――三木さん、何か書いてましたね」

 すっかり空気を読むようになった安芸さんが話題を強引に変えた。

「書いてた?」

「はい。メモです。かなりの量でした」

「間が空くのはそういうことだったんだ」

 と言い、僕は手を打ちしきりに頷いた。最近、扉から外の気配を探るのは止めたから、安芸さんたちに伝える難しさがよくわかった。探るのはどうも悪いことをしているような気分になる。

「で、彼女と何を話してたんです?」

 伝わらない身振りのはずだが、安芸さんはわかったかのように話してきた。不思議なもので、扉一枚程度の壁ではわかってしまうらしい。

「恋の相談です」

「初々しいですね。彼女、可愛かったし」

 と一言一言区切るように強調しながら安芸さんが言った。

「人気あるだろうね」

 他人事のような僕の口調に怒ったのか、

「生くんがどう思うか聞いてるんです」

 と安芸さんは語気を荒げて怒鳴った。

「可愛いよね。僕はショートも好きなんだ」

「もう、いいです」

 すっかり拗ねてしまった。しかし、安芸和澄である。5分もすれば、元通りだ。僕から切り出しておいてなんだが、ようやく他愛のない会話を始められた。

「じゃ、またね」

「はい。お疲れさまでした」

 安芸さんが去った後、すぐに扉がノックされた。

「あの、今いいですか」

 一日を引きこもりとの会話に潰すより彼氏といた方が有意義じゃないか、と言おうとして止めた。三木さんには三木さんなりの考えがあるだろう。

「ああ、構わないよ。けど、長くいちゃだめだ。夜は危ないよ」

「はい」

 そう返事をして、クスクスと三木さんは笑った。僕も笑った。冗談のつもりではなかったのだが。

「そうだ、彼のプロフィール、紙に書いて渡してくれないか。あ、そのポストから」

「わかりました」

 少しして、郵便受けから紙が落ちた。
 時間の割にはずいぶん綺麗な字で、量もそこそこある。

「ねえ、この人、趣味ないの?」

 紙にはプロフィール欄にありがちな趣味が書かれていなかった。
 書かれていたのは、クラスメイトで、部活は入っていないということ。他はいくつか具体的なエピソードが書かれている。文字の量の割には情報が少なかった。

「少なくとも、本が嫌いではありません」

 また妙な言い回しだった。

「もしかして、最近出会った?」

「そうです」

 僕はとりあえず、彼の追求をあきらめることにした。
 相談なんてものは結局、する側の覚悟で決まる。言うだけでは大したことはできない。
 そんな風に、僕は考えていたし、どうやらそういう話ではないようだ。

「じゃあ、三木さんの趣味は?」

「読書です」

 言いづらそうに三木さんが言った。

「僕も読む方だったよ」

「珍しいですね」

 と冷たい口調で三木さんは返した。その声は彼女には合わなくて、わざとそうしているようにしか思えない。三木さんは心根が暖かく可愛い女の子なのだ。

「そうかな。本ってさ、登場人物の人生に触れて、共感して、感動して、時には憤ったりするんだけど、楽しいんだ。だから、言葉に突き動かされる。密接に世界と関わるわけだから、どうしようもなく、ね」

 紛れもない僕の本心だった。そして、僕は三木さんを探ってしまった。



永久機関プロット02

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 何をしていいのかわからなかったので、体を動かすことにした。引きこもってからの習慣である。どういう意図があったのかはわからないが、毎日正確に行っていたようだ。それを10年もしていたのだから驚きである。安芸さんの様子から察するに僕は人間のようだが、それも疑わしい。そんな疑念を抱きながらも、まだ辞めようとしない自分も大概だが、過去の自分もどうかしている。元々何かしらの欠陥を持っていたと考えるべきだろう。そして、彼女も充分おかしい。
 今日も懲りずに安芸さんが現れた。姿勢よく歩き、ここを目指している。僕がいる階につくと彼女は深呼吸し、何もないのに微笑む。そして扉の前に立ち、

「ねえ、生くん。学校いこうよ」

 一定のリズムを刻みながら扉が叩かれる。
 僕にとって迷惑きわまりない安芸さんの活動は3日目に突入していた。
 チャイムを鳴らさなくなったのは、鳴らなくなったからである。

「あなたが恐れるものはなにもないんですよ」

「私がなんでもお手伝いしますから」

「ケーキ買ってきたんです。あ、フルーツのほうがよかったですかね? あ、ケーキは桃と苺ですよ」

 とか、一日中言い続け、

「ぶー、明日はここ、開けますから」

 と毎日物騒な台詞を吐いて、安芸さんは20時に帰った。
 保護対象の確認が済み、僕の担当が決まったため、報告義務が出たようだ。

「すっかり時計の必要がなくなった」

 僕は別段迷惑とは思っていなかったし、何とも律儀に安芸さんが来ている間はとりあえず耳を傾けた。聞こえてしまうものを邪険に扱うことはできない体質のようだ。

「おやすみ」

 暗闇に語りかけ、僕は眠る作業に入る。今までどうやって眠っていたのかがよくわからなかった。誰かにおやすみということを知っていたので試してみると眠れたのだ。それから言うように週間づけようと思ったが、基本的に時間が来れば眠れるようになっていることを今日思い出し、明日からは気が向いたら言うことにした。



 目が覚めた。気分は悪くないし、よくもない。そもそも基準がなかった。そんなことを思っていると、安芸さんが扉をノックした。

「朝ですよ」

 扉に背を向け、僕は話を聞く準備をする。
 こうして4日目が始まった。

「生くん。必ず見てくださいね」

 と安芸さんが言った後、封筒がポストから飛び出てきた。
 僕は器用に床に落ちる寸前で掴み、封筒を開ける。
 中から出てきたのは学校のパンフレットだった。全体的に単調な明るい色で印刷されている。様々な色を一気に見たせいで、僕の目は拒否反応を起こしたものの何とか一通りページをめくり、封筒に入れて郵便受けから返した。

「ほ、本当に見たんですか?」

 返却まで1分足らずだった。安芸さんの問いは至極当然と言える。彼女が驚いていることを知ってからそんなことを思い出した。しかし、嘘ではない。きちんと記憶している。僕は心の内で肯定し、返事がないな、と思った。それは僕のほうに問題があった。決まりきったことを知らなかった。何かしらの形でできるだけわかりやすいように表現しないと伝わらないのだ。

「はい」

「ええ、嘘だ。じゃ、じゃあ、クイズ出しますよ」

「ええ、どうぞ」

 堂々と僕は返した。今更、嘘を吐く訳にもいかない。

「プールは何階にあるでしょう?」

 熟読しても、そんなところは見ていないだろう、というような箇所だった。

「1階です。多目的場を加えるなら7階もですね」

 安芸さんが何をしたいのかわからない。プールの場所が重要なのだろうか。

「つ、次」

「どうぞ」

「生徒数は?」

「1040人です。通信制も合わせれば、1507人ですね」

「ま、まだです」

 ここからは不毛な争いだった。
 学校からはずれ、何ページの少年の服の色、とか、パンフットのページ数、とか、完全に目的を見失っていた。
 無論、すべて正解だった。安芸さんの暴走は意味をなさなかった。

「興味、ないんですか?」

 安芸さんが尋ねた。どうやら彼女は僕という存在を勘違いしているらしい。興味どころか、記憶も意思もないのだ。残っていたのは命令だけというポンコツである。

「ありません。前にもお伝えしましたが、僕はここでこうして生きるのがいいんです」

「それは嘘です」

 先ほどまでの沈んだ声が嘘のように、安芸さんはキッパリ言い切った。全力で否定してくる。声だけでなく、目でも。彼女の言葉が僕の命令を書き換えようとしていた。

「逃げていたって、いいことはありません」

 核心を突く一言だった。記憶を幹から揺らされたような破壊的な一撃であった。僕の頭が働き、会話の間を稼ぐ。顔もまともに合わせず、壁一枚へ立てて数日会話した安芸さんにそれを言われたことよりも、自分自身が逃げていたという事実を忘れていたことに驚いた。
 しかし、そんなことでは扉は開かない。でも、僕は重要な知識を得た。

「やれやれ。引きこもりにそんなことをいきなり言ったらダメでしょう?」

 と言って白い歯を見せ、僕は微笑む。すっかり意見を伝えることを忘れていた。それだけでなく、今の今まで逃げてきたという罪の存在すら忘れていたのだ。




「寒いですね」

 と安芸さんはぼんやり外を眺めながら呟いた。

「もうすぐ大晦日ですから」

 空調設備が整っている部屋では寒さと無縁だ。僕からすれば、外の寒さなど気にするまでもない。それに、外を見てはいけないと刻まれている。

「実家に帰らないんですか?」

「いえ、毎日来ます」

「3が日ぐらい寝正月がいいんですけど。あなたもでしょう?」

「いえ、来ます」

 皮肉を混ぜず、安芸さんにキッパリ言われ、僕も閉口するしかなかった。薄々勘付いていたことだが、仕事に対してだけは融通が利かないようだ。
 そんな僕の諦めを確かに感じながらも、安芸さんは勝ち誇ったような顔はせず、話を再開した。

「そうそう、生くんは年越しそば食べます?」

「まあ、一応」

「そうなんですか。私はそういうのしなくなっちゃいました」

 そう言って安芸さんは笑った。笑うたびに彼女の口から白い気が零れる。その煙はどこか悲しげに形を変えた。煙が宙に消えきり、辺りは静寂に包まれた。その空気はどこか重い。僕は勢いづけるように手を打った。

「意外ですね。イベントごと好きそうなのに」

「はは、今やイベントが溢れてますから」

「そうですか」

 素っ気ない僕の返事に、安芸さんは唸った。会話はできたがどうも弾まないなあ、という雰囲気を隠しもしなかった。隠し事ができない性分なのだろう。
 そんな安芸さんを見かねて僕が、ねえ、と切り出した。

「安芸和澄さん、そろそろ諦めてくれないかな」

「イヤです」

 間髪入れずに力を込めて安芸さんは答えた。

「そう言わずにさ。僕みたいなの相手にしても暇でしょ。さっきから会話が途切れるし」

「そんなことありません。それに仕事ですから」

「なら、なおさらだね」と僕は言い、扉を何度か人差し指で叩いた。「仕事を妨害されてるようなものでしょ。僕は必ずここから出ないし、出たとしたら多分、もっと意味がない」

「違います。生くんを外に出すことが最終目的ですが、お話するだけでもいいんです。一人じゃないって、わかってほしいから」

 僕は何も言わなかったし、安芸さんは言葉を待った。
 僕の心中には様々な意思が渦巻いていたが、その中でも明確に嘲笑や失望といった負の意思が一緒に漂っていた。一人じゃない、という言葉に反応していた。そして、どうしてかは自分でもわからなかった。そんな不安に寒気を感じたが、沈黙を先に破ったのは僕だった。物思いに耽るほうが、悪化するとわかっていたのだ。

「安芸さん、お人好しですね」

「そんなことありませんよ」

 安芸さんの返答には照れが含まれていた。壁の向こうで、僕が口端を吊り上げる。こうしてはぐらかせばいいのか。

「いえ、とても優しくて、美人で、可愛いです」

 女性としてあるまじき汚さで安芸さんは吹き出した。
 微かに僕の笑い声が彼女の耳に届いてようやく馬鹿にされていることに気づいた。

「もう、からかわないでください」

「ごめんなさい」

 素直に謝ったため、安芸さんはそれ以上言わなかった。

「でも、少しは思ってますよ。そうだろうな、って」

「どうしてですか?」

 茶化すような口調ではなかった。これ以上、続けるのはできなかったらしい。だから安芸さんも真面目に訊いた。

「僕はここ十年出てないからよくわかりません。けど、あなたみたいな人は少ないんじゃないかって。どんな時代でもどんな世界でも、他人のために何かできる人は少ないんですよ。人間、色々限界がありますから」

 急に老成したような、感慨を込めた言葉だった。なるほど、と納得できる声だった。ただ理由もなく、ここにいるわけではないのだと語っていた。僕は自分の声から自分の断片を見た。まだ、今の僕よりも過去のほうが強いらしい。勝手に口が動いていた。

「も、もう、私の方が年上なんですからね」

「そうだったんですか」

 先ほどとは打って変わって、高い声で僕は驚いた。

「え、何歳だと思ってたのかな?」

「16くらいかな、と」

「に、21です」

 頭の中が響くような重複する鈍い音が鳴った。僕はいつの間にか頭を扉でぶつけていたらしい。

「こ、いえ、童顔ですね」

「そんなことないです。身長は平均です」

「顔ですって。まあ、僕の選別眼は廃れてますし、勘弁してください」

 それきり話がなくなって、安芸さんは定刻通りに去っていった。
 まともな会話ができて嬉しかったのか、去り際に立ち上がった彼女の顔には笑みが浮かんでいた。

「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」

 今回の挨拶は新年の決まり文句だった。同じように僕も返す。

「どうでした?」

「何のことでしょう」

 皮肉る言葉が出そうだったので、質問を返した。

「お正月を迎えた心境です」

「はあ。ただ一年過ぎたな、ぐらいです」

 後悔ではなく、死に近づけた、という竹尾生らしい言葉だった。ようやく僕は竹尾生の趣向と合ってきたらしい。

「そういえば生くん、いつも何してるんですか」

 初めて安芸さんが竹尾生の生活に触れようとした。初対面の相手に使う常套句である。ようやく、並の会話に入れる段階になったのだ。それに対して申し訳ない、と僕は思った。

「何もしてません。寝て、食べて、寝ての繰り返しです」

 え、と声に出し安芸が驚いた。これは彼女を遠ざけようという嘘ではなかった。それに、竹尾生が嘘をつくことはない。それは僕も同様に。

「言いましたよね。僕はここで死ねれば満足なんです。でも、死に方は寿命死一択ですけど」

 扉越しでも、安芸さんが言い淀み、賢明に励ましの言葉を探っているのがわかった。だが、それはきっと意味をなさない。なぜなら、僕も竹尾生のことを理解し切っていないからだ。

「ごめんなさい。困らせてしまいましたね。安芸さんが話してくださいよ。あなたの話、好きなんです」

 僕はそう謝罪して、照れ笑いを浮かべた。自分の事情に誰かを巻き込んではいけない。厄介事の塊だ。引きこもりで寿命死を目指していて、記憶喪失。何の冗談だろう。

「生くん」

 寒気を纏った声音。僕が求めていたような話題ではない内容が、安芸さんの口から流れることは明らかだった。

「絶対にあなたを一人では死なせません。申し訳ないと思うのなら」そこで一度切り、扉に備え付けられている投入口を開け、振り返った僕と目を合わせた。「私と約束してください」

「約束、ですか」

 僕が言葉をなぞると、

「はい。約束です。1年後、私がこうしてあなたのところを訪れていれば、この扉を開けて、中に入れてください。30分でいいですから、お話しましょう」

 言葉の真意を探るように、何もかも見通すように、僕は安芸さんの目を眺め続けた。

「わかりました。約束します」

 と僕は約束してしまった。


 今日も今日とて、安芸さんが現れた。1週間記念日ですね、と浮かれていたため、いつもより3割増しの元気だった。僕はいつも通り応対した。

「もう1週間か」

 僕は、毎日よく飽きないものだ、と愚痴をこぼす。
 いいリハビリだ、と考えることにした。
 ここでは相手の顔や行動が見えない分、言葉について考えなければならない。暗闇にいた人間が急に明るい場所に放り投げられたら酷いことになるのと同じだ。
 竹尾生という人間が、人よりも深く速く考える性質であることも加担している。彼にとって考えるというのは、人並みに戻る儀式みたいなものだった。思考回路が働きすぎるのだ。わざと負荷をかけることにより、どうにか戻れる。
 どういう形にせよ、僕は記憶を再構築しなければならない。それは他ならぬ、竹尾生自身がそうしたのだから。どれだけ小さくなってもそう望んだ意思があった。
 その可能性を僕は消せないのだ。

 僕には記憶がなかった。無い物やおかしな点を列挙するとキリがないが、整理していくと、3つに分けられる。それは、目と頭と心だ。
 僕の目は様々なものをうつす。自分の姿が見える俯瞰視点であったり、扉越しの人間が見える。これを目による認識と捉えていいのかはわからない。暗く、光も香りも扉にさえぎられているからそう見えるのかもしれない。そして、それを何事もないように処理する頭だ。あまりに早いため、過去の再生と現実の処理を同時にしても余る。が、慣れれば操作できるものだ。
 一番問題なのが、意志がないことだ。こうしたいというものがなく、しなければならない、という命令に従っているだけである。

「おそらく、飽きないんだろうけど。まずったな、ひょっとすると、があるかも」

 ひょっとして、もしかすると、いや間違いなく、と考えが飛躍していく。
 頭を振って思考を切り替え、

「おやすみ」

 ぼんやり1年後のことを考えつつ、僕はゆっくり瞼を閉じていく。意識が薄れゆくほどに、虫の羽音のような不快な音が耳を満たし、脳は深い無念の記憶が占めていく。それは追体験に等しいものであったが、そのことを目覚めた僕は記憶に留めていない。そのように設定されているからだ。これはあくまで責め苦であって、僕を奮い立たせるものであってはならない。





永久機関プロット01

サークル9e-として配布予定のゲームのプロットです。
(プロローグと2章になります。※1章飛ばしてます)
ただいまBGMを作ってくださる方を募集しています。
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あらすじ

舞台は未来。多くの人が理想郷と呼ぶ世界で物語は始まる。
アパートの一室に引きこもっていた竹尾生は奇しくも、10年目のその日に保安官である安芸和澄に 見つかってしまう。生は仕方なく和澄と約束を交わす。「1年後この部屋を開けて、そこで30分会話する」というものだった。その約束の日までに生の元を3 人訪れた。一人は10歳ほどの少年、一人はショートカットの女子高生、一人は変わった青年。そんな彼ら彼女らとの出会いが生を変えるのか、変えないのか ――。そして、理想郷とは?


 僕の目の前に示されたのは、単純な結末だった。
 人間の両極にある解。無慈悲でどうしようもなく現実的な解。
 それは離れてみれば刺激的だ。他人を通してみる悲劇は美しいのだろう。だから美談なんてものが生まれる。そのことを忌諱するわけではなく、そういう側面を偽善などと断定するつもりもない。でも、初めにそれを見たという事実は胸を抉る。心臓を丸ごと引き抜くような圧倒的な暴虐に僕はいつもと同じく、しかし違った切り口で逃げ出した。いいや、それしか道がなかった。目の前の理想を壊してまで、逃げ切ることができなかったから。もう一度振り向くことを拒否したのだ。


 もう、疲れた。
 だから、生きる。
 死なないように、触れないように、世界から外れて、小さな箱で生きていく。

 少年は誓う。自分を規則でがんじがらめに縛って、命令する。

 そうして、見事にすり減らした。

 少年は、自分が何がしたいのか、何をしたいのか、さっぱり忘れてしまった。
 いや、忘れてない。すべて覚えている。
 ただ、磨耗して、薄れて、小さくなって、諦めただけだ。

 だから、今回で終わりにする、と誓った。
 今度こそ走らず、手を伸ばさず、ここでのたれ死んでやる、と自分を呪い縛りつけた。

 少年の決意は今までになく固かった。
 既に粉々になった彼には、小さな部屋だけで十分だった。否、必要だった。
 何も見ず、何も聞かず、何も知らず――。
 ただ食べて、飲んで、寝て。それが今、彼の望むものだった。
 それを淡々と続けていく。
 1年、2年、3年――10年。もちろん10周年だからケーキなんてものはない。
 でも、チャイムが鳴った。

 いつもの配達員のはずはない。頼んでいないのに来ることなどありえないからだ。
 何かの勧誘だろうと、少年は無視することにした。
 しかし、一向に音が止まらない。
 我慢比べのつもりなのか、延々と鳴る。
 1時間、2時間、3時間、5時間。
 いくら我慢強い少年でも、気にする程度にはなってきた。

「腕、疲れないのかな」

 と外れた関心だったが。
 ついでに時計を見ると、夜中の2時だった。
 彼もさすがに驚いた。

「これじゃ近所迷惑だな」

 とまた外れた点だったが。
 少年は気怠さを全身で表しながら暗闇を壁伝いに動き、ドアホンから相手を捜す。
 見えるのは腕だけだった。
 彼の心配通り、だらんと力がない。でも押すのはやめなかった。

「近所迷惑だし、彼女も可哀想だ」

 少年はそっと扉を開ける。宅急便以外の相手にこの扉が開くのは初めてだった。
 そして、彼がこんな時間に外を見るのも、今回では初めてだった。

 だからだろう、少年の頭の中で音がした。確実に何かを押した音だった。


 5時間もチャイムを押し続けると、人は青くなるらしい。
 何をしているのだろうかと考えるよりも街の風景に感心していると、チャイムを押していた人間――彼の推測通り女だった――がぎょろりと大きな目を動かした。
 死んだような顔に生気が戻ってくる。

「た、だ、竹尾生さんですね」

 喉をずっと動かしていなかったからか、せき込みながら女は言った。

「はい」一呼吸おいて、少年は続けた。「そうですけど、エリュスからの配達じゃないですよね?」

 それ以外はありえない、という口振りだっため、女は頬から顎辺りを指で撫でて視線を少年から少し離した。。

「いえ、違いますよ。あ、私が名乗ってませんでした」

 女はよろよろと上体を揺らし、足を震わせながら立ち上がって、一生懸命直立しようと力をいれる。結果、かなり不格好だった。
 そのまま、敬礼し、

「安芸和澄です。あなたを保護しにきました」

 ポカンと彼――竹尾生が口を開けた。
 今まで引きこっていた生は知らなくて当然だが、この地区では「少年少女よ外へでよう」というスローガンのもと、引きこもりを引きずり出す地区案が議決されたのだ。
 恐ろしや、生は引きこもるために生きていたというのに。
 日々を破壊されることを予見してか、詳しい話を聞かずに生は素早く扉を閉めようとした。だが、直感的行動も保安官である和澄の前では無意味だった。

「さ、行きましょう」

 笑いかけながら軽やかに語り掛けているが、和澄は指で扉を掴み強引にこじ開けようとしている。

「い、いやです」

 生が甲高い悲鳴声も上げるも、和澄の進行は止まらない。しっかり指を出しているので、無理やり閉めれないという事情があったとしても、5時間もチャイムを鳴らし続けていた人間の力とは信じられないものがある。抵抗もむなしく、扉は開かれた。そのまま和澄は生の腕を引っ張り、外に出す。生は小鹿のように足を震わせ、アパートの廊下に座り込んだ。そこへ、和澄が抱きつき、

「これから頑張りましょう。世界はこんなにも平和なんですから」

 と言った。
 平和な世界。戦争が根絶され、国というくくりがなくなった世界。文字通り平和な世界、と万人が言う。が、生は、生にとっては違った。
 彼の瞳には否応なしに映ってしまう。


 閉め切っていたはずの無地の青いカーテンから太陽の光りが差し込み、僕は意識を取り戻した。酷く混乱した頭脳はまだ何か言っている。それがはっきりした時、僕は扉を開けようとしていた。無意識だった。その瞬間、酷い傷みが体中を走った。一体、どこに貯蓄しておけばこんなに傷むのだろう。
 刺激は収まらないが、慣れてきたので、考え事をする余裕が生まれた。僕は何をしているのだ? いまさら戻ろうっていうのか?
 答えは――応えてはいけないのだ。僕は停まると決めたのだ。そうだ、それこそが望みじゃないか、僕はもう辞めたのだ。
 意志の弱い自分が嫌になって、嘆息をもらす。それもまた無意識だった。正直言って、さっきから自分のことがわかっていない。どこに取扱説明書を置いたのだろう。
 僕は頭を働かせる。ゆっくり丁寧に、説明するように動かす。
 その甲斐あって数秒の間に理解した。時間がかからなかったのは、僕が竹尾生という存在で、10年間ずっと同じことをし続けていたということだけだったからだ。
 しかし、はっきり言って、自分が竹尾生という名前だということに自信がない。あの時は咄嗟にそう答えただけだ。セイと彼女は呼んでいたが、ショウとか他にも呼び方はある。

「タケオ、ショウ。タケオ、セイ」

 大きく口を開けて発音してみたが、どっちも変わらない。 
 記憶を検索しなければならないほど久しぶりだった。それでも答えは出ていない。断片的で擦り切れていて、それを記憶とは呼べないほど不明瞭だったからだ。が、ハッキリしているものもあった。
 誰にでも公平に嘘を言わない。一種の法則で、絶対遵守の命令だった。何度も幾重に精神へと刻み込まれた思考パターン。それは宿命的なもので、呪いと表現しても誇張でも穿ちすぎということでもないはずだ。

 僕はこの部屋から出ない。ここで死んでみたいのだ。

 この部屋にいる限り困ったことはない。必要なものがあればボタン一つで届くし、誰も僕を傷つけない。箱庭だ。この狭く区切り途絶した世界にはなにもない。だから、棺桶ともいえる。そこは観点や感受性の問題だろう。
 あながち外れてはいないとも思える。僕の見方はかなり平坦だからだ。平凡ではない平坦だ。扁平だ。岩が川に流れている間に丸くなるようなもので、僕も紆余曲折あってこうなったらしい。ついさっき理解したことだが、僕には記憶という記憶がないのだ。
 いきなり引きこもり生活から始める人間のほうが少ないだろうし、僕もその過去を誇るつもりはない。それだけはしてはいけない。記憶がハッキリしないけれど、このことに関しては断定できる。
 もし、そんなことを考えれるのなら、僕は恐らくここにはいない。このことは自分の根幹から否定するようなことなので、絶対とは言えないが、8割は保証できる。この確率は当たっているはずだ。人間は劇的に変化できない。だから、僕の数えきれない――本気で臨めば可能だが――挫折経験から推論するとそうなる。

 あれ? 僕は何を言っているんだ?

 必死になって頭を停めた。数年ぶりの対話は脳に支障をきたしたらしい。記憶がない人間が、経験などというのは変な話だ。

 しかし、それでも残っている事実があった。
 僕は弱く揺らぎやすい存在で、取るに足らない生き物だ。それでいて呪われている。
 そして、死を目指している。


2014年8月15日金曜日

2014/08/15-キュンとした話

みなさんお盆休みですかね?
今日はコミケだったとか。ニュースサイト見て知りました。
お盆は忙しく、一日中働いてました。二度、ほぼ不眠で働くぐらい。二つバイトをしていると連勤システムが意味を持たない……。
眠たい頭を稼働させ、ここ最近でキュンとした話。

これは5.6月だったと思います。
突然ですが私はドジと言うやつのようです。例えば、何もないところでつまづくとか、すべるとか。
その時も転けそうになりましたが、慣れているので何とか踏ん張りました。反動で数歩下がると、後ろから暖かいものがくっついてきて、私は誰かの手で支えられていることに気づき、体制を整え振り返ると、大丈夫ですかと男の人が微笑みました。
キュンときた。
(ちなみに今回の雑記担当は男です)
別段、顔が整っていたとかそういうわけではありません。微笑みとその行動にやられたのです。私はその人のことを何度か見かけていて、優しい人だなあ、と思っていたことと、向こうがスーツを着ていたことも関係あるかもしれません。
危うく同性に惚れるところでした。

次は今週、バイト先での話。
また突然ですが、多くの場合、私の渾名は名前にちゃん付けです。
普通に呼ばれても苗字なので、名前だけで呼ばれることはごく稀。ですので、名前呼びされると少し新鮮味があります。しかし今回は名前に君付けされたのです。
キュンときた。
(ちなみに呼んだのは男性です)
とてもチョロい。

体を支えられたほうがキュンときましたね。うん。


寝ます。



2014年8月5日火曜日

2014/08/05-MOZU Season2~幻の翼~

「MOZU Season2~幻の翼~」3日に一気見しました。

イワン・タイラーは――!?


もう、これが耳に残って……。
10月から地上波するそうですね。(今知った)
ひと月ほど前、西島秀俊さんぐらい短く、とイメージして美容室に言ったのですが、伝え方が悪く、眉より短いくらいになってしまいました。関係ないですけど。
内容は面白かったけど、不完全燃焼かな。続きが気になる。けれど、終わり方はスッキリしているという。みんなも見てね!


「永久機関」発表の目途がついたのでご報告。
無料版と題して、ネットで配布し、それから一月後に有料版を配布します。
有料版は無料版の加筆修正、エピローグと加える予定のなかった過去編(短い)、量や反響を見て、関係のない短編を少し挟む予定です。
無料版はブログかサイトにあげて、どこかほかにも考えてます。どこがいいだろう?

2014年7月22日火曜日

2014/07/24-新たなバイト

先日、バイトの面接に行き、なんとか合格しました。場所は全国展開している総合娯楽施設です。
今までに働いたことのない職種で、淡い期待をしてます。色々と。
バイトは寝床から徒歩圏内でしか働いたことがなく、今回もそうです。バイトで出勤までに時間がかかるのはな、と。

そんなこんなで、小説版永久機関は八月末の配信を予定してます。
現在は推敲の真っ最中です。ここがやっぱり辛い。時間はかかる。次々改善したくなる。そして、あれ? と思うのです。面白くないよな、と。
7月12日の挫折もそうでした。こんなものを世に出すのか、って思ってしまったら、もうだめでした。動けません。

電子書籍って、フリーソフトで作れて、なおかつ読みやすいのはどこなんでしょう?
やっぱりkindleとか、スマートフォンで読めた方がいいんですかね?

2014年7月16日水曜日

2014/07/16-本を買いに行った話

おはようございます。
目覚ましより、20分ほど早く起きて優越感に浸っております。
私の生活サイクルは起きて、うがいし、顔を洗い、インスタントコーヒーを淹れ、ヨーグルトとかチョコとか軽いものを用意して朝の作業に取り掛かります。
昨年度はだらしない生活リズムだったのですが、これに慣れると惰眠を貪ってる感じになりますね。

今日からタイトルをつけてみました。日にちだけじゃわかりにくい。

本を買いに行った話。


井上夢人さんのラバーソウルの文庫版を買いに行こうと思っていたのに、遠野物語remixやらキケンという新刊を手に取りレジに運ぶところでした。持ち合わせ少ないのにね。
まあ、これは新刊なので仕方ないといえば仕方ないことです。
ですが、危うく角川文庫の戦略にやられるところでした。
 カドフェス2014で灰谷健次郎さんの太陽の子が洒落たカバーになってて、手が。 
いや、家にあるじゃないか、と自分自身にツッコミを入れ、難を逃れました。買い物下手ですね。

2014年7月14日月曜日

2014/07/14

月曜だけは6時起きで済むのに、朝から雨で憂鬱です。
雨の時は、基本的に駅まで徒歩なんですが、今日は自転車を押して行こうと思います。午後は晴れるみたいだし。
というのも、免許を取ってから自転車のマナー違反には特に気をつけるようになりました。危ないからね。一概には言えないけど、自転車のマナーが悪いせいで、事故って結構起きている気がする。雨の日に片手ブレーキなんてものはもってのほかです。
ルールってものは、片方が守っても何の意味も持ちません。両者が守るからこそ、安全が保たれるのです。けれども、まあ、守り続けるのはもっと難しい。

夏の雨は蒸し暑さをもたらすので、さらに厄介だ。家にいる分には問題ないけど、外に出ると汗をかくし臭いも酷い。エチケットとして対策はするけど、その場しのぎ。どうやら汗かきのようで、発汗量が多いこともありますが。
何故か喉が腫れて、何を飲み込むにも激痛が走り、さらに憂鬱って訳ですが、今週も楽しみたい、と思います。

2014年7月13日日曜日

モチベーション低下

急激なモチベーションの低下にやられました。
事の始まりはデバック中、あまりにも読みにくく、 最後まで読み切れなかったことです。
そこからはズルズルと。

問題点としては、ノベルゲームとは呼べない代物であることですね。
時間がなかったとはいえ、表示するだけみたいなものではどうも……。
文も、長ければ次ページまたいでしまう。

そういったバランスの調整に専念したいということで、夏に配布を断念。
現在作成し終えたファイルはお蔵入りです。

ですが、諦めたわけではありません。問題点がわかったからには、改善あるのみ。
時間がかかりそうなので、kindleでlite版を無料配信しようと思います。
そこで運がよければ、サークルメンバー増えるんじゃないか? という邪な考えもありますが、お待たせするのもいけないので。
元々、電子書籍版として、永久機関、エリュスの二編を有料配信しようと思っていたので、それのお試し版としても役立ちますし。

kindleで配信スタートしたら、ご連絡します。

2014年7月11日金曜日

2014/7/11

まだシナリオ脱稿しておりません。――まだだ。
画像は今さっき、タイトル画面を書いたので、あとは背景だけです。効果音は集めているので、あとはシナリオと打ち込み。

まだ24時間以上あるよ!

はい。雑記です。
今日は、容量のなくなったHDDのために、極黒のブリュンヒルデを一気見しました。
そういえば、当初、キョクコクのと思ってました。ゴクコク
この作品を知ってから、村上春樹さんのノルウェイの森に出てくる直子が、黒羽寧子みたいな感じかな、と思うようになりました。やれやれ。

アニメ版極黒のブリュンヒルデ、原作と違う所が多かったな。ボクはその辺気にしないので、いいんですが、2期はどうなるんだろう? 今、2章?やってますけどね。黒服さんスマートに打たれるんだろうか。
直接死んだ描写がないと死んだと思ってはいけませんね。銃弾が頭ですごい動きしてましたし。

アニメはやはりOPですかね。「BRYNHILDR IN THE DARKNESS -Ver. EJECTED-」
9話まででしたが、なんだかんだ毎回飛ばさず聞いてました。
10話から切り替わってびっくりしたね。違うアニメかと。

2014年7月10日木曜日

一部仕様を変更する!(2)

仕様を変更し、また仕様を変更しました。締め切りまであと2日!
まだシナリオすら脱稿していません。(サークルのサイト)


え?


どのパターンで行くのか、それともごちゃ混ぜにするのかはわかりませんが、ライト版ということで取っつきやすくしようかな、とは考えてます。
今日の朝まではプレイ時間2時間ほどだったのですが、今では4,50分かなというところ。
完成を急ぎます!

2014年7月8日火曜日

一部仕様を変更する!

何度目の仕様変更だろうか?

もちろんノベルゲームの話です。(サークルのサイト)
今回もシナリオの変更。といっても、主人公の状態を変えただけです。
しかし、ほぼ一人称のため、最初から変更です。そのため、プレイ時間が少し増えるかも。
12日か13日に配布予定……? え?
シナリオぐらいしか、変更する場所がないともいう。

とにかく頑張ります!

KinKi Kidsの愛のかたまりをじっくり聴いている場合ではないのだ。

そう、音楽を聴きながら作業できないタイプなんです。

 

2014/7/8

おはようございます。平日は基本的に4時起きの朝型人間です。
さて、早速ですが――


9e-」というサークルでフリーゲームを7月12日か13日に配信します!
  1. 引きこもり少年とその少年を更生させようとする保安官の少女が送る一年間の物語。
  2. プレイ時間 一時間弱のフリーゲーム。

とまあ、宣伝はここまでにします。
現在、映画やらドラマやらアニメやらをとにかくHDDに詰め込んでいるので、原作を買っている魔法科高校の劣等生すら見ていないのですが、昨日サボってネットサーフィンしていると、LiSAさんの主題歌を偶然見てしまいました。ニコニコ動画の字幕付きで。


ヒ、ヒドイ。

前期、神々の悪戯を楽しんでいた人間としては、空耳を馬鹿に出来ないのですけどね。
ニコニコ動画をまともに使っていたのが2008年~2009年ごろだったので、アクセスの多さや、動画の数に驚きました。最近、まともにログインしてなかったんですよね。ところで第6次聖杯戦争まだかな?
そういえば、このころはオンラインゲームもしていたなあ、とか思いだしたりしました。
最後にオンラインゲームをやったのはPSO2のテスターかな?
最近はゲームも できてない。

24時間って絶対短いよ!

ああ、そろそろ出なくちゃ。







2014年7月7日月曜日

2014/7/7

何も書かないのもどうかと思いまして、日記を始めることにしました。
試しに今日の一日を。

今年はついてないのか、4月から自転車を2台大破させています。
一台はタイヤが破裂し、一台はチェーンが切れました。チェーンが切れた方は乗って1ヶ月でのご臨終でした。こいつにはその間、一日二日毎にチェーンが外れるため、軍手を常備するほど苦労させられました。
今日は、余裕を持って家を出たのに、駅までの信号全てで引っかかり、定期の更新する時間がほとんどなかったのです。元々汗かき体質の人間でして、電車内でポタポタ汗を落してました。かなり恥ずかしい。
若干、気持ち悪くなりましたが、体調を戻し、作業に復帰しました。
合間合間を縫って宮部みゆきさんの魔術はささやくを読みながら一日の作業を終え、家に帰宅(18時ごろ)しました。

少し家事をし、PCを立ち上げ、「やるぞ」と気合を入れてみるも、一文も書くことなくパラパラ折れた竜骨を読んでしまい、隣にあったノルウェイの森を手に取ってしまったのです。
片付けるぞ、と言って全く進まないパターンです。はい。
ゲーム制作もそうなのですが、作業をしているのはごく僅かなのです。参ったなあ、と思いつつ壁際に自分を追いやり、期限ギリギリで背水の陣だ、というのは中、高、大と経ても変わりません。

ですが、そんな私でも長い期間を使えば、何らかの形で達成できるんですね、というようなことを皆さんに薄く伝えたいがために日記なんぞを書いてみました。劇的なことがあれば、そんなことをせずに済むんですがね……。

2014年7月6日日曜日

サークル9e-作品公開決定!

いきなりサークル名も告知しちゃう大盤振舞い。
どうもお久しぶりです。サークル名は「9e-」になりました。

配信日は7月12日に決定です!!
タイトルは永久機関。フリー版なので、表現などをあっさりさせたライト版。プレイ時間一時間弱の作品です。

引きこもり少年とその少年を更生させようとする保安官の少女が送る一年間の物語。

ライト版と銘打ってますが、コメディ調でもなく、美少女2次元イラストもない純粋ノベルゲームです。

サイトでの公開と、どこか別サイトで公開してくれるところを……探してます。とりあえず、サイトでの公開となりますね。

特設サイトを作るほど力作でもないので、ここであらすじをご紹介。 

あらすじ

舞台は未来。多くの人が理想郷と呼ぶ世界で物語は始まる。
アパートの一室に引きこもっていた竹尾生は奇しくも、10年目のその日に保安官である安芸和澄に見つかってしまう。生は仕方なく和澄と約束を交わす。「1年後この部屋を開けて、そこで30分会話する」というものだった。その約束の日までに生の元を3人訪れた。一人は10歳ほどの少年、一人はショートカットの女子高生、一人は変わった青年。そんな彼ら彼女らとの出会いが生を変えるのか、変えないのか――。そして、理想郷とは?

といった感じです。私たちの作品を4つほど混ぜ込み詰め込んだ作品ですので、濃い作品となってます。ぜひ、クリアを目指してください!!

前回も書きましたが、ライト版の公開後完成版を目指します。

シナリオの細々とした変更と、フリーに頼った部分を自力で……できたらいいな。絵も数枚しかないので、皆さんの反応を見ながら改良します。
あえて、エピローグを抜いていますが、秋のFate/stay nightのアニメ化辺りに、エピローグをパッチかなんかで配布予定。

完成版はCD-ROMで500円から~1000円くらいで作ろうかと。
永久機関は生視点の物語なんですが、和澄視点の「エリュス」を小説として有料配信します。こちらは確定。エリュスを完全版に含むかどうかは未定ですが。

とにかく、ライト版の公開を急ぎます!!

2014年6月18日水曜日

完成間近? 

完成間近、やったね!
音楽はフリー楽曲に頼ることにしました。
タイトルは「永久機関」に決定。副題にエリュスをつけてもいいかもしれない。
作風はSFになるのかな? ドンパチしません。
2014年夏、公開!!(プレイ時間1時間)

今後の動きは 
  • 体験版の公開後完成版へ
 
シナリオの細々とした変更と、フリーに頼った部分を自力で……できたらいいな。絵も一枚しかないし。秋のFate/stay nightのアニメ化辺りに、エピローグをパッチかなんかで配布予定。
まとめると、今年の秋に追加シナリオ。あとは気が済むまで改修!

  • 販売予定  

永久機関、ヒロイン視点からの小説と、元祖エリュスの小説みたいなものを同梱し、CDかDL版かを作ろうかと。
 こちらは決まってません。そうできたらいいな、という願望。


  • 永久機関の小ネタ

あまりに書くことがないので、発表してないのに小ネタを紹介。
この作品を作り出せたのは、TYPE-MOON様のおかげです。
詳しくいうと、Fate/stay nightの衛宮士郎です。
ゲームでのFateルート終盤、アニメ(2006年版)での22話、漫画版での17、18巻。
ネタバレになるので、わかる人にしかわからないと思いますが、言峰教会での士郎です。
このシーンがこの作品に大きな影響を与えています。

とにかく、完成を急ぎます!!

2014年4月23日水曜日

3度目の正直。

1章の完成度50パーセントになったら……? ん?

進むどころか、0に戻りました。なんと3度目のシナリオ変更。(細かくではなく丸々)
 それに伴い、プレイ時間が2~5時間になりました。そのかわりといってはなんですが、11月までには完成しそうです。
シナリオ脱稿し終わったら、更新します!

2014年2月13日木曜日

未完成セールス(笑)

1ヶ月ぶりですね。
進捗状況はZERO。はは。


えーっと、このエリュス(仮)を作るぞ! という企画、セールスポイントがいくつかあるので、そこを紹介しようかと。

 1.全員が素人

まずはここですね。全員が素人です。ノウハウとかありません。
あったのは数年前に作ったプロットだけです。完成しているものの、省略により、新規ルート作成中です。都合よくまとめられる感じで。ヒロインルート全カットというね。
僕のpixivを見ていただいたらわかると思いますが、完全なる初心者です。シナリオも。
もちろんプログラミングも、ホームページ作成もできません。

 2.作成時間 

そこでシナリオの作成時間以外の全作業の時間を計ることにしました。
知識習得もそこにいれています。
同人ゲーム作ろうか、という方の目安になれば、と。
今のところ、絵だけですが。

 3.作成過程

今のところスタートラインにすら立っていない状態なので、書くことがないのですが、完成に近づき次第書こうかと。
こうして覚えたよ、と挫折の経験も書きます。


要は、いかに愚かな人間どもか、というのを余すことなく公開しようという企画です。
恐らくですが、ここまで無計画な同人ゲーム制作もないでしょう。

肝心の中身について触れると

 プレイ時間5~10時間(ボイスなし)
 シナリオ分岐はない予定。ヒロインルート削除したので。3章構成です。
1章ずつ公開か、まとめてかは進み具合ですね。

 内容(舞台は現代。突然、魔法の世界に巻き込まれた主人公の物語……)
かなり薄っぺらい紹介ですね……。制作前に言うのもなんですが、プロローグどうにかしたい。暇すぎる。
 全年齢対象フリーゲームです。
 

とりあえず、1章の完成度50パーセントくらいになってから、ブログ更新します。
なので、これから当分お休み。
調子、どうよ? とか、こういうのもありなんだぜ? とか、ここクズだなとか、意見がありましたら、Twitterなり、コメント欄なりでお願いします。


7月までには再開……するぞ!!

2014年1月13日月曜日

立ち絵ができたYO!!

立ち絵ができました。やったNE。まあ、せこいやり方なんですけど。 これで来年までに前半は作れるかな? 残るはイベントCG、BGM、背景か。 背景は写真で誤魔化そうかと。次はBGMに取り掛かるぞ!!

2014年1月6日月曜日

キミニキメタ

今回は、使用ソフトと大まかな枠組みを決めました。
まず、ソフトは……。 Live Makerさんにしようと思います。
ちなみに、全員変数?なにそれ状態。美味しくなさそう、というのはわかります。
で、ゲームジャンルですが――戦闘ADVにしようかと。最終ADVだけかもですが。
えーこれで何となくジャンルが絞られましたが、バトルものです。学園もの?吸血鬼?魔法?
そんなんの詰め合わせです。ひな形が中学、高1の時に完成したものですから。

次回更新は、立ち絵の公開に……してやるっ。



進捗状況……1%未満!

2014年1月1日水曜日

2014

あけましておめでとうございます!!

いやー新年ですね。前回の記事は忘れて。
今日は、きっちと方針を決めました!
お披露目も近い……はず。今、主人公を作っているので、しばしお待ちを!

今年こそ、完成させてみせる。